14.Exitを作ろう




チュートリアルもついに最後の内容になりました。Exitを作成して一つのマップを完成させましょう。(前回までの作業データ:Download

@Exit用の部屋の作成

Exitを作ることは特に難しいことではありません。とにかくまずは部屋を作りましょう。


グリッドの大きさを「32 mp」に変更して下さい。上図のようにラインを引いて外野エリアの下側に128×64の四角形のセクターを作って下さい。


「セクターモード」で、今作った128×64の四角形の編集画面を開きます。「Ceiling Height」を264に、「Ceiling」のテスクチャーを「FLAT1」に変更して下さい。また、「Effects」の「Brightness」を160に変更して下さい。


次に「ラインモード」で、上図で選択されたラインの編集画面を開いて下さい。「Properties」タブ内で「Upper Unpegged」にチェックを入れて下さい。また、「Sidedefs」タブ内で「Front Side」の「Upper」テスクチャーを「BROWNGRN」に変更してください。


グリッドの大きさを「16 mp」に変更して下さい。上図のように長さ64のラインを右から左へ引いて下さい。


さらに上図のように長さ64のラインを左から右へ引いて下さい。


「ラインモード」で、上図で選択されたラインの編集画面を開いて下さい。


「Sidedefs」タブ内で「Front Side」の「Middle」テスクチャーを「EXITDOOR」に変更してください。「EXITDOOR」は一つのテクスチャーに扉と両端の柱が混在している珍しいテクスチャーです。今回は柱の片方のテスクチャーを定義しているので、「Texture Offset」のx軸を64に変更してください。


反対側のラインも編集します。「ラインモード」で、上図で選択されたラインの編集画面を開いて下さい。


「Sidedefs」タブ内で「Front Side」の「Middle」テスクチャーを「EXITDOOR」に変更してください。さらに、「Texture Offset」のx軸を88に変更してください。


引き続き「ラインモード」で、上図で選択されたライン2つの編集画面を開いて下さい。「Properties」タブ内で「Lower Unpegged」にチェックを入れて下さい。また、「Sidedefs」タブ内で「Front Side」の「Middle」テスクチャーを「DOORTRAK」に変更してください。


扉を作るために高さ0のセクターを作ります。「セクターモード」で、上図で選択されたセクターの編集画面を開いて下さい。


「Ceiling Height」を192に、「Ceiling」のテスクチャーを「FLAT20」に変更して下さい。


では、Exitの扉を作りましょう。「ラインモード」で、上図で選択されたライン2つの編集画面を開いて下さい。


「Properties」タブ内の編集です。「Action」内の一番右のボタンを左クリックして下さい。ツリー型タブの「Door」から「DR Door Open Wait Close (also monsters)」を選んで下さい。


次に「Sidedefs」タブ内の編集です。「Front Side」の「Upper」テスクチャーを「EXITDOOR」に変更してください。今回は「Texture Offset」は変更しません。これでドアは完成です。


3Dモードで確認するとDoomでおなじみのExitが出来上がっていることが確認できます。


「ラインモード」で、上図で選択されたライン2つの編集画面を開いて下さい。「Sidedefs」タブ内で「Front Side」の「Middle」テスクチャーを「BROVINE2」に変更してください。


Exit用のスイッチを設定します。「ラインモード」で、上図で選択されたラインの編集画面を開いて下さい。


「Properties」タブ内の編集です。「Action」内の一番右のボタンを左クリックして下さい。ツリー型タブの「Floor」から「S1 Exit Level」を選んで下さい。


次に「Sidedefs」タブ内の編集です。「Front Side」の「Middle」テスクチャーを「SW1BRNGN」に変更してください。これでExitは完成です。ちなみにExitで使用したテクスチャーの組み合わせはDoom2のMap1のExitと同一のものです。

これでマップは完成しました。テストプレイを行ってみましょう。

Aオブジェクトを配置する

せっかくマップが完成したので、最後に「オブジェクトモード」で武器や弾薬や敵などのオブジェクトを自由に配置してみましょう。実際のマップ製作はオブジェクトの配置も含みます。オブジェクトの配置はここまでくれば特に難しくはないと思いますが、オブジェクトの編集画面だけ簡単に説明します。


Thing
ツリー型のタブ オブジェクトの一覧です。任意のオブジェクトを選択することができます。
Type オブジェクトには個々の番号が割り当てられています。その番号が分かっているなら直接指定して選び出すことができます。
Size そのオブジェクトの大きさです。「縦横の長さ×高さ」で表されています。オブジェクトは縦横の長さは等しく正方形だと思ってください。
Position そのオブジェクトが配置される位置です。床(Floor)か天井(Ceiling)のどちらかです。
Blocking そのオブジェクトが障害物かどうかを表しています。完全にブロック(Completely)かブロックなし(No)のどちらかです。
Setting
Easy チェックを入れるとそのオブジェクトはスキル「I'm Too Young to Die」「Hey, Not Too Rough」で出現します。
Medium チェックを入れるとそのオブジェクトはスキル「Hurt Me Plenty」で出現します。
Hard チェックを入れるとそのオブジェクトはスキル「Ultra-Violence」「Nightmare!」で出現します。
Deaf 耳が聞こえないという意味です。これにチェックを入れると敵は銃声に反応せず、プレイヤーが視界に入るまで動き出しません。敵以外にはチェックを入れても特に意味はありません。
Multiplayer チェックを入れるとマルチプレイ時のみそのオブジェクトは出現します。
Coordination
Angle オブジェクトの向きです。向きが存在しないオブジェクトもあります。直接値を指定する以外に右端のボタンでも設定可能です。

B最後に

チュートリアルお疲れ様でした。この内容を一通りしても十分なマップ製作の技術が身についたとは言えませんが、ここで紹介した典型的な仕掛けのみで構成されたマップが製品版に多くあるのも事実です。それよりもDoom Builderを使いこなせるようになったことが大きな成果だと思います。ここまでくれば、製品版のマップ程度ならDoom Builderでそのマップを開いてどの仕掛けがどのように動いているか自分自身で学ぶことができると思います。そうすれば、自分でマップ製作の技術をどんどん身につけていくことができます。このチュートリアルはその段階まで持っていくことが目標でした。

以上です。ありがとうございました。